クマが身近になってきた?登山者・猟師の僕が感じるリアルと対策
- tsasakiflow
- 7月17日
- 読了時間: 4分
更新日:7月18日
こんにちは、BlueDroneの青屋です。今日は、最近特に増えている「クマの目撃情報」について、登山や狩猟をしている僕自身の体験と、赤外線ドローンを活用した対策の可能性についてお話ししたいと思います。
※下記は以前青葉区内でカメラに映ったツキノワグマです。
150キロ前後ぐらいあるのではないかと思います。唸られた個体でまちがいないかと。

■ クマの目撃が増えている理由
宮城県内でも「クマが出た」というニュースや目撃情報が増えています。僕自身、登山中にフンを見つけたり、狩猟用のトレイルカメラにクマが映ったり、さらには罠場でうなり声を聞いたこともあります。うなり声は地の底からわき上がるような声であれは間違えようないですね。
こうした状況の背景には、“人間慣れしたクマ”の増加があると感じています。親が人間を恐れない個体だと、その子どもも同じように育ち、結果として警戒心の薄いクマが増えている。僕の仮説ですがこれが目撃の急増につながっているのではないでしょうか。
■ クマが町に出てくる背景
「なぜ山の動物が人里に現れるのか?」それは主に「山の餌不足」によるものです。特にドングリなどの木の実が不作の年は、クマが餌を求めて町に降りてくる傾向が強くなります。
しかし最近では、餌が豊作の年でも目撃が増えています。これは、クマが「山よりも町の方が餌が簡単に手に入る」と学習してしまっている可能性があります。
※2025年は凶作の予想
■ 罠にかかったクマ、そして現場の現実
僕はイノシシ猟をしていますが、めったにないですがイノシシ用の罠に誤ってクマがかかることもあります。クマは体も大きく、タヌキのように押さえつけて罠を外すというわけにはいきません。
しかもクマを仕留めるには銃の使用が必要で、市や県の許可が必要です。その連絡と確認の間、クマは罠にかかったまま動けません。中には、許可を待つ間に“勝手に仕留めて持ち去る”という信じられない事例もあると聞きました。
■ 地域差と罠サイズの工夫
西日本ではクマが少ないため、罠も大きめに作られていますが、クマが多く出没する東北地域では「間違ってクマがかからないように」罠のサイズを小さくするなどの工夫がされています。
これは罠に明確な規制があり、地域によって異なります。
■ 高齢化と駆除の限界
クマの駆除が進まないもう一つの要因として、「猟師の高齢化と人手不足」があります。さらに、1頭あたりの補助金が数千円と安く、リスクに見合わないことも課題です。
最近では北海道で、駆除要請に対し猟友会が断ったというニュースもありました。命のリスクがあるにも関わらず、現場の負担だけが増えているというのが現実です。
■ 赤外線ドローンでクマ対策はできないのか?
僕は今月、「赤外線建物診断技能師」の資格を取得しました。この資格はもともと外壁や屋根の異常を検知するための技術ですが、以前から僕はこの赤外線技術を“有害鳥獣対策”にも活かせないかと考えてきました。
たとえば、夜間の山林パトロール。人間の生身では危険だし、クマは人の気配を感じて逃げてしまいます。しかし、夜間飛行可能で静穏性が高い赤外線ドローンを使えば、気づかれずに位置を特定し、早期発見・追跡が可能になるかもしれません。
■ 導入を妨げているものは?
現時点でこのような技術があまり導入されていない理由としては、「夜間飛行の許可申請の煩雑さ」や「制度的な制限」が大きいと思います。
あとはドローンに対する一般の方の慣れかと思います。
ただ、国家資格保持者や猟師などがいる地域であれば、行政と連携することで比較的スムーズに体制が作れるのではないでしょうか。
実際、僕のように狩猟経験もあり、ドローン、更には赤外線技術の資格も持っている人間が増えてくれば、いずれは地域単位での赤外線ドローンパトロールが現実のものになると思っています。
■ 最後に|共存のために、できること
僕は狩猟やドローン活動を通じて「人と自然の境界」に日々触れています。クマは悪者ではありません。でも共存には、「緊張感」と「知識」、そして「技術」が必要です。
登山やキャンプを楽しむ方々にも、自分の行動が自然にどう影響しているのか、一度立ち止まって考えてもらえたら嬉しいです。
そして、僕自身も“飛ばせるだけじゃない”ドローンパイロットとして、こうした課題に向き合っていけたらと思っています。



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